講話『日本の文化を游ぶ』

2023.02.27

  • 開催日
    令和5年2月20日(月)
    10時~
  • 場所
    徳島県立総合福祉センター
    5階ホール
  • 講師
    河野 真理
講師の河野真理先生

講師のプロフィール

  • 徳島県立城東高等学校
  • 大谷大学修士課程修了
  • 徳島県立小松島高等学校(等)講師
  • 「源氏物語」の会主宰
  • 「徳島歴史の会」主宰
  • 古典を読む会・百人一首の会参加

講話内容

今年は「癸卯」(みずのとう)の年です。
中津峰にある如意輪寺本堂が、新築されたのが1363年「癸卯」の年であり皇紀2023年、今年は西暦2023年(2023年―1363年=660年 干支は60年に1周します。つまり11周目になります)これは凄くないですか!

講話

日本の文化の中の兎は、私の知る限り聖徳太子ゆかりの日本最古の刺繍作品「天寿国繍帳」(国宝)の中に兎の図案があります。刺繍の為傷みが激しく鎌倉時代と江戸時代に二回修復されたが、現存するのはごく一部を集めたものとして残っている。
奈良東大寺法華堂、天蓋中の鏡(国宝)の中にも十二支の図があり、当然兎もいます。

講話

 平安末期から鎌倉時代には、日本最古の戯画・漫画とされる「鳥獣人物戯画」(国宝)がある。このウサギをよく見ていただきたい。日本兎は耳の先が黒くなっている。今も高い山や北海道の一部に現存するみたいです。

うさぎ

山梨県大善寺(ブドウ薬師)を守る十二神将は頭に十二支の像が乗っている。ここだけではなく十二神将はほとんどどこかに十二支の像があるのでよく見てください。

徳川家光

 徳川家光が幼児の頃狩野派絵師に指導され、描いたウサギとか、伊藤若冲による「鳥獣花木屏風」の中にも兎の絵が、また円山応挙にも白兎・黒兎の絵が描かれている。
 「古事記」の中には、童謡にも歌われている大国主命の因幡の国で素(白)兎の物語があり、鳥取市には白兎海岸・白兎神社がある。
 謡曲『竹生島』にも、波ウサギが出てくるなどウサギ関連の品・場所は沢山あるので皆様も気を付けて見てください。

徳島県の地名で游ぶ

粟⇒阿波
長⇒那賀
奈良時代には国名を漢字二文字にするようになった。また木の国は紀伊、火の国は肥後・肥前になった。

 撫養、麻植、美馬も色々謂れのある大事な地名であり、麻植の地名が無くなったのは非常に残念である。

昔の舟乗りさんは、昼間は地形を、夜は山の常夜灯を頼りにしていた。阿波国は、阿波三峰つまり日峰・中津峰・津乃峰の山頂に常夜灯が灯り船頭にとっては大切な山であった。神山の焼山寺も字のごとく焼いた山、これも海から見ると重要な常夜灯であった。伊能忠敬の四国の地図を見ても焼山寺が描かれている。

 川中島と言えば信玄・謙信の川中島の戦いが思い出される。千曲川と犀川の合流点付近にある。

徳島においては『四国三郎』吉野川は大水のたびに、流路も変幅差で、川の中に島状の地が残され、大河である吉野川には、上流から中鳥島 舞中島 善入寺島など人の営みがあった。

 地名で残っているのは三島・宮島・三ツ島・学島・呉島・川島・粟島・知恵島・鴨島・上下島・牛島・平島・桑島・中島・北島・徳島(阿波七島)・牛屋島・備前島・小桑島などなど。

 喜来は崎来ともいわれ、河道が大水によって離合集散して「切れ合い」「切れ間」「切れ合」「切れ間」「きらい」と変化し、好字変換して「喜びが来る」「喜来」と変化したもの。

松茂町には喜来小学校・中喜来、北島町には新喜来、市場町には上喜来・下喜来、鴨島町には喜来、徳島市には渋野町喜来などがある。

 すかは、川水・海水などによって生じた砂地・すか場・浜すか(広辞苑)
全国には羽嶋・長島・墨俣また私達の殿様 蜂須賀 もそうですね。

徳島には、助任(洲賀頭)・加賀須野・竹須賀・百石須・太郎八須・出来須・前須・中須・新居須・西須賀・佐野塚・佐藤塚などがある。

皆様の近くにはこれらの地名はありませんか?配布した地図の中から探してくださいと、締めくくり講話は終了しました。

身近な分かりやすい講話、ありがとうございました。
本日の参加者は122名でした。

次回映画鑑賞

日時:3月17日(金)10時~12時
会場:徳島県立総合福祉センター5階ホール
内容:映画『Fukushima50』

次回映画鑑賞は金曜日です。
皆さんのご参加をお待ちしています。

 写真:32期 常陸
記:34期 森