講話『口腔ケアをおこない健康寿命を延ばそう』

2021.04.28

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講話内容

『口腔ケアをおこない健康寿命を伸ばそう』

1.あなたはどんな時、歯科医院に行きますか?

  1. 痛くなったら行く
  2. 少しでも気になることがあれば行く
  3. 定期的に行っている

2.健康の後悔トップ3

  1. 歯の定期健診を受ければよかった
  2. スポーツなど体を鍛えればよかった
  3. 日頃からよく歩けばよかった

歯と糖尿病を患うと取り返しがつきません。日頃のケアと食事、運動が明暗を分けます。

講話

3.口腔ケアとは

  1.  狭義には口腔清掃と義歯の清掃
  2. 広義には口腔が有しているあらゆる働き(摂食、咀嚼、嚥下、構音、審美性、顔貌の回復、唾液分泌など)を健全に維持する、あるいは介護すること
歯周病と全身疾患

口腔内には300~700種類の細菌がいます。
プラーク(歯垢)は1グラムあたり1,000億個の細菌が存在するといわれています。歯周病から脳・心臓血管など全身疾患をおこします。

4.高齢者の口腔の特徴

  1. 咬合力の低下
  2. 嚥下力の低下
  3. 自発呼吸力の低下
  4. 口が開く(口唇閉鎖不全)
  5. 口が動かなくなる(顎関節の拘縮)
  6. 顎関節が脱臼しやすくなる
  7. 頚部の拘縮と後方傾斜
  8. 舌運動不全と舌沈下
  9. 誤嚥の発生

 介護が必要になった高齢者の原因疾患の多くは口腔機能障害を起こします。
 食べ物や唾液などが気管や肺に誤って入ることによって誤嚥性肺炎を起こします 。

5.フレイル予防3つの柱

フレイル予防3つの柱

 フレイルとは「加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態」のことで、いわゆる「虚弱」です。言い換えると、介護が必要になる前段階とも表現できます。

6.オーラルフレイル

 オーラルフレイルは、「噛む」「飲み込む」「話す」などの口腔機能が加齢などにより衰えることが原因となります。食べこぼしや軽いむせ、固いものが噛みにくい、滑舌の悪化、口の中が乾くなどの症状が現れます。噛む力が衰えて固いものが食べにくくなると、やわらかいものばかり食べるようになり、噛むために必要な筋力がさらに低下し、さらに噛む力が衰えるといった悪循環に陥りやすくなります。結果的に口腔機能の衰えは、食欲の低下、さらには全身の機能低下へと進み、要介護状態へとつながる可能性があります。

口に関するささいな衰えを放置したり、適切に対応しないままにしていると、口の機能低下、食べる機能の障害、さらには心身の機能低下まで繫がる負の連鎖が生じてしまいます。

7.オーラルフレイル予防&改善に「健口体操」

  1. 頬の運動
    頬を膨らます→口をすぼめる→口を大きく開ける
  2. 唾液腺のマッサージ
    親指以外の4本の指を耳の前の頬に押し当てくるくる回す→親指を顎の骨の内側に当て耳の下からあごの下まで押す→両手の親指を揃えてあごの真下から上へと押し上げる
  3. 舌の運動
    舌を出して上へ→舌を下に伸ばす→ぐるっと回す(左右)
  4. 言葉の体操
    「ぱ・ぱ・ぱ」「た・た・た」「か・か・か」とはっきり発音する。

8.歯磨きのポイント

  1. 歯ブラシは、ブラシ部分が小さめのものを選ぶ
  2. 入れ歯をはずしてから、自分の歯を磨く
  3. 毛先をきちんと当てて磨く
  4. 軽く持ち、強くこすりすぎない
  5. 歯を1本ずつ磨くように小刻みに動かす
  6. 入れ歯のバネをかけている部分は念入りに
  7. 入れ歯の部分や歯のない部分もきちんと磨く

スクラッビング法(歯ブラシの毛を垂直に当てその場で振動させる)で磨く。
歯垢のたまりやすいところは歯ブラシと歯間清掃具兼用で丁寧に磨く。

徳島県立総合福祉センターにて、『口腔ケアをおこない健康寿命を伸ばそう』と題して飛梅悟先生に御講話いただきました。お陰様で有意義な時間を過ごすことができました。口腔ケアの大切さを理解し実践することで、健康寿命を伸ばすことができることを知りました。

目下、県内ではコロナウイルス感染が急拡大していることは周知のところです。その為、予定されていました5月11日(火)の映画鑑賞会及び5月25日(火)の総会・芸能大会は中止とさせていただきます。なにとぞご理解いただけますようお願いいたします。

本日の参加者数は94名でした。

写真:36期 三木
記:31期 蔭山