
日 時 令和7年4月14日(月) 13時30分~15時30分
講 師 公益財団法人 徳島県鍼灸マッサージ協会 理事 中谷 桜子 先生
中谷先生のご経歴
- 城ノ内高校卒業後、四国医療専門学校鍼灸マッサージ学科入学
- あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の国家資格を取得
- さくらこ はり灸マッサージ治療院を開業
ご講演内容
「はり治療」と言うと、「体にはりを刺すのは怖い」「灸治療は熱いのではないか」と心配される方も多いですし、本当に効くのかなと思う人も多いかも知れません。
でも実際は、現在では、幼児にも「はり治療」を行っています。「子供に、はり」と言うと、皆さん注射だろうと思われますが、それだけでは有りません。「はり-灸 治療」はどのようなものか知ってもらい、イメージを変えてもらえるよう、私は努力しています。
「西洋医学」は、「身体をパーツと捉え、一部分だけを診る」ものです。一方、「東洋医学」では「身体全体を見て、施術」を行う。そうすると、体の不調の原因が分かるので、根本からの改善が出来るのです。

長年の肩こり、長年の頭痛なども、東洋医学ではゆっくりと話を聞くことで原因がわかるし、根本の改善が出来ます。
東洋医学では、
- 「生命活動のエネルギー源として気」
- 「血液以外の水分で水」
- 「全身に栄養を与える血液」が有ります。
それぞれのエネルギーが減ると、いろいろな症状が出ます。
「気が足りなくなる」と、気虚・疲れやすい・だるさ・食欲不振 気滞・イライラ・息苦しい・喉がつまる 気逆・のぼす・動悸・めまい等が生じます。
「水が足りなくなる」と、水滞・むくみ・頭痛 水毒・めまい下痢。
「血液が足りなくなる」と、瘀血・月経異常・色素沈着 血虚・貧血・脱毛などの症状が出るのです。
次は、ツボついて説明します。
具体例で申し上げると、松尾芭蕉は「奥の細道」の紀行で、東京を出発し、東北、北陸を経由して岐阜まで歩きましたが、それは約150日で、距離2300kmです。多い時には、一日50km走破しています。
松尾芭蕉は、疲れを癒やすため、足三里にお灸をして、自分で自分をケアしました。
また、アフリカでは、感染予防にお灸を使っています。免疫力の向上、痛みの暖和などに効くからです。
ツボは、たくさん有りますが、よく知られているツボを紹介しましょう。
足三里の効用は、むくみ・胃腸の不調・冷え・免疫力UP。

三陰交の効用は、婦人科系・泌尿器系・冷え・むくみ。
太衝の効用は、冷え・のぼせ・目の疲れ・高血圧。
湧泉の効用は、冷え・不眠・疲労感・高血圧。

合谷の効用は、肩こり・頭痛・目の疲れ・歯痛。
中渚の効用は、耳鳴り・難聴・めまい・頭痛。

労宮の効用は、不眠・ストレス・めまい・動悸。
天突の効用は、咳・痰・のどの痛み・嚥下困難。

中谷先生は、身体のツボを映像で細かく説明して下さいました。また、具体的に講座生に体験してもらうため、演壇を降りて、講座生が手を挙げると、走って説明に来てくれるなど、一生懸命に駆け回って下さいました。

(追記)
正直なところ、私は、整骨院でのマッサージの経験は有りましたが、鍼灸・ハリなどの治療を受けたことは無りませんでした。中谷先生の東洋医学の話は新鮮で、特にツボの話は、興味が湧いてきました。お忙しい中、沢山のご説明ありがとうございました。
講座生の皆さんも興味が湧いて来たのでしょう、講座が終わっても先生を取り囲んで、色々な質問をしていました。楽しく有意義な時間を過ごせたと思います。
写真 32期 常陸 章
記 34期 清水 進