講話『成り成りて成り余れる』

2022.07.25

  • 開催日
    令和4年7月25日(月)
    10時~12時
  • 場所
    徳島県立総合福祉センター
    5階ホール
  • 講師
    元四国大学文学部准教授
    植町 徹 先生
講師

講師プロフィール紹介

徳島県出身
38年間 高等学校教師
10年間 四国大学文学部准教授
併せ徳島県シルバー大学校歴史文化講師

講師
講話

先生の名前「徹」はアメリカ大統領のトールーマン大統領から頂いたと言ったユーモアあふれる長い長い自己紹介からスタートした。明治39年生まれの母が101歳まで生きたと言うことで長寿の話となり、十干十二支が一廻すると60年かかり還暦と言う。中国の古文70歳は人生古来希なりから古希、77歳は漢字から喜寿、80歳は傘寿、88歳は米寿、90歳は卒寿、99歳は白寿などの話で、本来の「古事記」の話になったのは休憩5分前であった。

講話内容

古事記とは一般に日本最古の歴史書であると言われ上中下3巻からなり、神話と(天皇家の)伝説の話となっている。
天武天皇から太安万侶に指示し712年(和銅5年)元明天皇(女帝)の時完成し献上されたものである。
神話の部分が2/3をしめ残り1/3が伝説部門となっているが原本はない。
いくつかの写本が現存するのみである。

天と地がはじめて姿を見せた時、天之御中主、高御産巣日神、神産巣日神の三柱(神は柱と数える)神があらわれた。「造化三神」と呼ばれる。いずれも独神であったが身を隠した。
その後次々に独神があらわれたは身を隠すことが続き、最後の男神女神が出てきた。伊邪那岐の神、伊邪那美の神である。この二方の神に「漂っている地を固め型を整えよ」と仰せられた。

この二方は天の浮橋からヌボコをズズッと下に向き掻き回すと塩が固まり島となった。これがオノゴロ島である。この島に二方は天降した。
伊邪那美命に「汝が身を如何にか成れる」と問えば「吾が身は、成り成りて成り合はざる処一処あり」と答え、伊邪那岐命は「我が身は、成り成りて成り余れる処一処あり、故(そこで)この吾が身の成り余れる処をもちて、汝が身の成り合はざる処に刺し塞ぎて、国土を生み成さんとおもふ。生むこと奈何」とのりたまへば伊邪那美命「然善けむ」として二方は結ばれたが子が生まれず、天つ神のもとに出向いてわけを聞くと、先に女が誘ったのが悪いと言われ男が先に誘って生まれたのが、淡道之穂之狭別島(淡路島)が最初の子で、次に伊予之二名島が生まれた。この島は体は一つ面は四つあった。面ごとに名があって伊予国は愛比売、讃岐国は飯依比古、粟国は大宜都比売、土佐国は建依別と言った。続いて今の隠岐島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、本州の順で生まれ、これらの八つの島ができた。これらを称して大八洲(おおやしま)と言う。
 この話の途中に何故か八百屋お七の話が出てくるなど極めてユニークな講話でした。
 ありがとうございました。

今回の参加者118名

次回の講話

令和4年8月22日(月)
映画鑑賞「ダブルフェイス」
主演:西島 秀俊、香川 照之ほか
監督:羽住 英一郎

皆さんのご参加をお待ちしています

写真:32期 常陸
記:34期 森