- 開催日
令和4年12月12日(月)
10:00~ - 場所
徳島県立総合福祉センター
5階ホール - 講師
丁山俊彦先生
講師プロフィール紹介
- 昭和21年5月8日美馬市脇町にて誕生
- 中央大学文学部卒業
- 職歴
徳島県郷土文化会館
徳島県立文学書同館 - 所属
徳島ペンクラブ会長
NPO法人モラエス会理事長
NPO法人写楽の会副会長
野上彰の会 副会長兼事務局長
徳島日本ポルトガル協会理事 - 共著書
阿波人形浄瑠璃
阿波の浄瑠璃本
阿波徳島の浄瑠璃集成
モラエス本 他
徳島ゆかりの人物の異名・呼称一覧
この表を見ながらおひとりずつ紹介して下さいました。
私の知る有名な方では徳島大学の長井記念ホール(ご家族らの寄付により完成)にも名前を残している長井義則。
生協の父。賀川豊彦。
友愛・互助・平和の精神を求めて戦った世界的な偉人。記念館が大麻町に有りますね。
記憶に新しいところでは、やまびこ打線で池田高校を一躍有名にした監督、蔦文也さんもいらっしゃいます。
『異能の徳島人』
1.世界三大肖像画家
東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)
寛政6年5月から翌年3月までの10か月間に約150点の錦絵を出版した後、忽然と浮世絵の世界から姿を消した江戸時代中期の人物。
実は・・徳島人だった
色々迷走した結果、江戸時代に出版された『増補浮世絵瑠類校』に斎藤十郎兵衛という阿波候能役者が写楽である旨が明記されていたが、十郎兵衛の存在が確かめられなかったため多くの別人説が唱えられていた。
いまでも別人説が唱えられているようですが・・・
しかし、資料の裏付けにより彼の存在が明らかになり、今では阿波候能役者説が確かなものとして写楽=斎藤十郎兵衛として受け入れられています。
世界的にも有名な写楽の浮世絵。
オークションで5360万円もの値が付いた作品もあるそうです。
2.明治後期の3代漢詩人
本田種竹(ほんだ・しゅちく)(1862-1907)
文久2年6月徳島市で生まれる。
岡本斯文、橋本晩翠に学び京都に出て谷太湖、江馬天江、頼支峰について詩を学んだ。
その後、東京に移り東京府、農商務省に勤務。25年に東京美術学校教授となりさらに文部省秘書兼庶務係長など務め37年に退官する。
明治後期三大(漢)詩人と称される。新聞「日本」の漢詩欄の選者となり自然吟社を創立する。
著書には「懐古田舎詩存」などがある。
3.浅草の喜劇王
曾我廼家五九郎(そがのや・ごくろう)(1876-1940)
大正時代に浅草の「喜劇王」として知られている喜劇俳優。
吉野川出身で本名は武智故平。
壮士芝居を経て、明治40年に曾我廼家五郎の喜劇一座に入門し「曾我廼家五九郎」を名乗りその後浅草で一座を構える。
映画「ノンキナトウサン」で活躍した喜劇俳優でもある。鴨島駅前にはノンキナトウサンの碑も有ります。
最近はコロナの関係で中止を余儀なくされていますが、地元の鴨島町では彼を偲び、称えた「五九郎まつり」も開催されています。
4.日本SFの父
海野十三(うんの・じゅうざ)(1857-1949)
作家。
昭和3年「電気風呂の怪死事件」を「新青年」に発表。本格的デビュー作品となる。
トリック的なものから「赤外線男」「俘囚」などSF味を交えた探偵小説に移行し、少年SFの開拓者として「地球盗難」など少年ファン層も厚い。
昭和17年1月海軍報道班員として従軍、敗戦の動向は「海野十三敗戦日記」に詳しく書かれています。
5.字幕の名工
秘田余四郎(ひめだよしろう)(1908-1967)
映画字幕翻訳家、脚本家、小説家。
板野郡一条村(現在の阿波市吉野町柿原)の生まれで本名は姫田嘉男。
東京外国語学校(現東京外国語大学)仏文科卒。
28歳の時に東和商事映画部に入社。
以降フランス映画の字幕に取り組み、作品としては「禁じられた遊び」「シェルブールの雨傘」「レミゼラブル」など有名です。
イギリス映画「第三の男」の字幕も手掛けています。
6.竹林の隠者
富士正晴(ふじまさはる)(1913-1987)
小説家であり詩人。
面白い絵を描くユニークな人物です。
大正2年三好郡山城谷村(現三好市)に生まれ、本名は富士正明。
三高文科中退。在学中に野間宏たちと「三人」を創刊し戦後、島尾敏雄たちと雑誌「VIKING」を創刊する。
昭和26年「敗走」29年「競輪」40年「微用老人列伝」でそれぞれ芥川賞候補となるが芥川賞は取れなかったそうです。
著書に「贋・久坂葉子伝」「桂春団治」「富士正晴作品集」があり、1992年に公開された宮沢りえ出演の映画「豪姫」は同名小説の映画化作品です。
平成14年徳島県立文化書道館開設に伴い富士正晴のコーナーが設けられています。
『異能』とは人より際立って優れた才能。一風変わった独特な能力。と、有ります。先生の淡々とした話に皆さん耳を傾けていました。本日の参加者は100名でした。
丁山先生ありがとうございました。
次回予定
日時:令和5年1月9日(月)
場所:グランドパレスにて新年互例会
新年らしい尺八・琴の演奏も有ります。楽しみですね
写真:32期 常陸
記:33期 御堂